暮らしとわたし Vol.3

好きなデザイナー。

気づけば早いもので、小さい頃のわたしが思っていた“おとな”な年齢になっていました。
本当にはやいものです。“おとな”になって、いろんなことが自由にできるようになりました。門限もなく、自分の家で自分のお金で暮らす、自分の好きなものを好きなだけ買う、(自分の持っているお金の範囲でね)好きなタイミングで好きなことをする、自分に甘えやすくなることもありますね。
それでも自分で必要な時には自制して、仕事して、遊んで、食べて、寝て、“おとな”って楽しいものですね。

“おとな”になってから買った高価なものは、わたしの中で特別です。
“おとな”じゃないとできないことですね。 

“おとな”になって、仕事をするようになって買った高価なものってなんですか? 

わたしは、照明でした。 

フランク・ロイド・ライトがデザインした、タリアセンです。 

わたしの身長より大きくて、箱と板で作られていて、それを全部さしこんで、お部屋の角に置くと、光ると段々になって美しい光を白い壁と天井にうつしてくれます。 

引っ越してきてから、家のペンダントライトがあまり明るくなくて、部屋のスタンドライトを毎日ともすようになりました。今までは気の向いたときにたまに照らすだけだったタリアセンが毎日ひかり輝いています。 

それもあってか、タリアセンへの愛着がどんどん湧いてきました。 

そうすると、タリアセンをデザインしたフランク・ロイド・ライトについて興味が湧いてきました。 

フランク・ロイド・ライトは、ル・コルビュジエミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれているそうです。 

そして、日本にも建築物があります。 

そこが、フランク・ロイド・ライトに惹かれてしまうもう1つのポイントでもあります。 

アメリカの建築家が、今では当たり前かもしれないけど、1900年代前半にアメリカ人が日本に建築物を残している、となると勝手な親近感みたいなものがわきました。 

フランク・ロイド・ライトが設計した建築物の中で唯一わたしが訪れたことのある場所がありました。
それは、展示会で訪れた自由学園明日館です。 

自由学園明日館は、東京都内にあるにも関わらずとてもたくさんの緑があり、その中に建ち、ごろごろできる芝生もあることが印象的でした。
そしてその自然と調和するように、タリアセンと同じ美しさのある魅力的な建物でした。 

直線と光の入り方がとても素敵でした。 

フランク・ロイド・ライトの建築についての考え方がわたしはとても好きになりました。フランク・ロイド・ライトが活躍した当時は、機能性と合理性を求める“モダニズム”が建築界の主流だったそうです。ですが、フランク・ロイド・ライトは、“周囲の自然環境と融和し、豊かな人間性を保証する建築”こそが理想であると考え、 “有機的建築(organic architecture)”を提唱していたそうです。 

“有機的建築”を、フランク・ロイド・ライトの考えを知らなくても、自然と感じることができるほどに緑の気持ちよさと建物の融和が素晴らしかったです。 

いつか家を建てるときには、フランク・ロイド・ライトの考え方に合うような家を建てて、自然と融和できる建物の中に、タリアセンを置きたいなと思います。それを今から考えるだけでわくわくします。(いつかわからないけど笑) 

現存する建物の中で、あともう1つ日本で見学できるものが、旧山邑家住宅(今は、ヨドコウ迎賓館と呼ばれている)です。


やはり、同じく自然の緑あふれる中にありました。
しかも調べてみると、わたしの地元にあると知ったので次の帰省には行ってみたいなと思います。
そしていつかは、アメリカにたくさんあるフランク・ロイド・ライトの建築物を見てみたいなと思っています。 

(text : Shimazaki)


SHIMAZAKI AYAKO

模様替えがすきで、自分の部屋をしょっちゅうかえていたそんな幼少期を過ぎ、気づけばインテリアを仕事にして12年経ちました。タイプの違うインテリアショップ2店舗の店長をしながら、最近はEC事業にも手を出し始めた好奇心のかたまりのような性格です。集中力は高いけど持続性がかなり低めなのでブログを書くこと、こっそり心配しています。