インテリアから見る日々 Vol.10

10回目。 

『10』という数字で、思い浮かぶもの。 

やはり、サッカーのエースナンバーでしょうか。 

小学・中学とサッカー部であった自分に背番号『10』は憧れの番号でした。 

どんな弱小のチームでも、『10』は特別な数字だと思います。 

Jリーグが始まった1993年。 

8歳だった自分にとって、もっともキラキラした世界の一つでした。 

その後、日本のサッカーはどんどん進化します。 

信じられない事がどんどん起きました。 

日本人が、セリエAで活躍する。 

そして、大活躍。 

その後一人と言わず、数えきれない選手が、世界のトップリーグで活躍する。 

世界のスーパースターと肩を並べるJリーグ経験選手。 

プロリーグが誕生した1993年。 

2020年に日本のサッカーがこんなことになっているとは。。。 

改めて、日本のサッカーを振り返ってみて、 メジャーな存在になるとものすごいスピードで進化する。 

インテリアももっとメジャーになり、 世界に誇れる文化になれば嬉しいです。 

では、本題に。 

『インテリアのおもしろさ』 

私がこの業界に入って2年目に出会った建築家さんがいます。 

その方には、インテリアももちろん、建築のおもしろさをたくさん教えてももらいました。 

ちなみに、今でもものすごく色々教わっている、もっとも尊敬する人の一人です。 

その建築家さんに、 

『車に置くいいティッシュカバーない?』と聞かれました。 

私は、その建築家さんの乗っている車を知っていました。 

20年以上たっているビンテージのバンで、お世辞にも新しいとはいえないけど、めちゃくちゃ雰囲気のあるかっこいい車でした。 

当時、勤めていたお店での会話だったのですが、仕事中ということを忘れ、お店の商品ではないモノを紹介しました。 

『スニーカーの箱でいいんじゃないですか?』と、答えました。 

一瞬の沈黙のあと、『それいいね!それにするわ!』と言われました。 

それから、数年後、その建築家さんから『あの時のスニーカーの箱のアイディアを出せる人だからずっと付き合ってる』 と言われました。 

自分的には、『????』 

『どういうことですか?』と、答えました。 

建築家さん 
『あの時、実はいろいろな人にティッシュカバーの相談をした。』 

『ほどんどの人が、おしゃれだったり、品質の良いティッシュカバーを薦めてきた。』 
『すえちゃんだけが、自分の車の事を考え提案してきた』 
これを言われて、ハッとしました。 

お客さんとしてではなく、友人の一人として何も考えずに話していたので、びっくりしました。 

建築家さんは続けて言いました。 
『おしゃれなモノ、品質の良いモノを進める事は誰でもできる。』 
『提案で一番大切な事は、その「空間」にあったモノを常識にとらわれず見つけ伝える事』 

20代半ばの深く考えてない私の奇跡的な『ホームラン提案』だったようです。 

ビンテージバンとスニーカーの箱の相性は最高で、蓋を閉めると中身もわからない。 

そして、お金をかけず、自分の好きなモノのつながりもある。 

ここまで、自分のアピールになってしまったかもですが・・・ 

とても大事な事を教えてもらったエピソードです。 

この時に、『インテリアのおもしろさ』に、気付きました。 

ブランド、品質だけでなく。 

ましてや、自分が好きなモノを進めるのではなく、その『空間』と『人』に合ったモノを提案する。 

世界には、さまざまなインテリアが存在し、多種多様な人が生きています。 

それらに合ったインテリアが無数に存在します。 

その空間での人の暮らしをよりよくする為のインテリア。 

そのインテリア作りを手助けする人になろうと思っています。 

かかりつけの医者がいるように。 

行きつけの飲食店があるように。 

お気に入りの美容院があるように。 

一家に一人、お付きのインテリアのプロがいてもいいなーって思います。 

『だって、インテリアをもっと楽しんでほしいから。』 

(text : SUEYOSHI)


SUEYOSHI HIROKI

株式会社 FAH 代表取締役 
1985年広島生まれ 京都育ち 1年だけカナダ暮らし。
20歳のときに入ったインテリアショップに衝撃を受けインテリアの仕事で生きていくと決意。23歳から35歳まで、広島のインテリアショップに勤務。自分のごだわりではなく、依頼者の理想を暮らしやインテリアを具体化する『カメレオンコーディネーター』を目指し日々を過ごす。
2020年 株式会社 FAH 設立。
個人宅。モデルハウス・ルーム。店舗(ホテル・飲食店等)商品開発などインテリアに関わる事を楽しくするために日々挑戦中。