『極彩色に千歳舞う』

イランのラグと同じくらい、(いやそれ以上に)日本美術を愛する大学生スタッフMKが今回愛でるラグは、日本美術の香りが漂う逸品です。

普段からラグを見るとき、「あ、これ縄文土器に似てるな〜」とか「浮世絵っぽいな〜」など無意識に日本美術との共通点を探しながら見てしまうのですが。

今回は、「伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)じゃん!」と心の中で叫んだラグです。こちら。

好きすぎて、出勤するたびにおはよう、と心の中で語りかけています。

「Who is 若冲?」

ちょっと待って、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)って何よ、誰よ、という方のために。

「Who is 若冲?」のコーナーです。

若冲(1716-1800)は近年じわじわと人気が高まってきている、江戸時代の絵師です。数年前チームラボともコラボしていた、死後に大活躍している方です。色彩の鮮やかさや、升目描きと呼ばれる新しい技法を試した江戸のアヴァンギャルド絵師と言えます。

今回のラグに似ているのは「樹花鳥獣図屏風」と呼ばれる作品。使って良さそうな画像が見つからず、、各自検索してみてください笑

鹿さんの涼しげな目元、色彩感覚、花の描写、周りに配置された鳥たち。まさに若冲ラグと呼びたくなる出来栄えです。

さてこのラグ、若冲っぽい、という以外にも面白ポイントがたくさんあるのでご紹介します。

乱れた鳥

右の子をご覧ください。
足が逆から生えているようです。私が逆と思っているだけで実はこれが正解なのかもしれませんが、心なしか線もブレているように感じます。
ここで何かあったのかもしれません、織り子さんの動揺を感じます。

魔の角っこ

角は織り子さんにとっても難所に違いありません。
先ほど堂々と描かれていた鳥さんが角っことなると、無理やり押し込められたかのように縮こまっています。
スペースが少し空いたから何か入れたい!との思いがここにあるのでしょう。
でも、鳥が本来はいれるようなスペースではありません。
頑張りましたね。

彩り担当「ばらん」

鹿さんの足元にぽん、と置かれた草。おそらく彩りが欲しいなあと思っておかれたものでしょう。お弁当によく入っている緑のプラスチックの草みたいですね。あの草、「ばらん」と言う名前らしいです。役割的にはラグ上のこの草も、弁当中の草も同じようなものです。

さて、若冲ラグいかがだったでしょうか。ラグの楽しみ方は無限にあります。自分の好きなものに似ているモチーフを探すもよし、触り心地に惚れるもよし、何も考えずになんか好きだな〜と思って見るのもよし。
ぜひ皆さんもお店で、おうちで、ラグの楽しさを体感してみてください!

お知らせ

NHK BSプレミアムで「ライジング若冲」が放映されます。
      1月16日土曜日21時~22時30分

(Text : Kawamura)

No.76415

トライバルラグ

SIZE:84×62cm

Price:45,000+Tax