『遥か彼方のダンシングクイーン』

『遥か彼方のダンシングクイーン』

よし!みつけるぞ!と気合を入れて探す時って全くみつからず
なんとなく気になったから、と油断して入ったお店で運命の出会いを果たすことってありませんか?
私はしょっちゅうそんな出会いを果たすので財布とよく相談するのですが
まあ、相談といいながらもココロの中ではもう、手に入れた先のことを考えているわけですから
半分以上は財布のひもが緩んでいるので財布からは「GO」サインが早めにでます。




今回、ご紹介するこちらのラグは
数年前に私も同行した買付けでそんな運命的な出会いを果たしたラグなんです。

カシュガイの人たちが多く住んでいるガーエーミエという町の小さな絨毯屋さんでラグを見せてもらいましたがそこはバイヤーの好みではないと判断、「もっと古いラグがみたい」と店主に伝えると「それなら倉庫に沢山ある」とのことでガラガラっとお店を閉めて私たちを車で先導していくこと数十分。
広い場所に寂しそうにぽつんと立っている建物の中には山積みのラグたち
いろいろな場所で集めたまま眠らせていたラグなので正直、状態がいいとは言えない中
1枚1枚広げて見ていくのはかなり過酷な作業
それでも宝物をみつけた時の楽しさには勝てず、第一選考を突破したラグ達を外に広げて、改めて色、織、デザイン、ウールの質感、状態など細かくチェックしていく。



そこでは表情や状態などコンディションチェックが細かくされるのですが
見てください!右側に並べられているひと際目立つあの子を!
ブルーが鮮やかで華やかで、そして爽やかでもあるソーダ水のようなラグがシュワシュワと赤系が多い中でひときわ輝いていたわけです。

一目で惚れたのは女の子が小鳥とお話しているのか、今となっては懐かしい無観客の中マイクを持って歌い上げている歌姫をも想像させるこの構図。



両サイドにはラクダと鳥以外はなんの動物でしょうかね?と一瞬頭をフリーズさせるデザイン、少しだけ離れて彼女のワンマンショーを見ているスタッフにも見えてきます。


イヌかしら?



ラクダは分かる


かんざししたお洒落な鳥ね
この子は一体・・・・
この想像力を掻き立てるのが楽しさの1つ

周りには八芒星と生命の木が描かれていてまさに「らしいデザイン」

古いラグですが当時ではかなり斬新な構図と配色だったのではないか、
まさにラグ界のニューウェーブといった感じ。
私のイメージではこの上にはミラーボールが輝きシンセサイザーの音が流れ
テクノ要素のある音楽が流れるダンシングクイーン。
そう思うとサイドにある八芒星と生命の木がミラーボウルからの輝いた光線やユーロ―ビートのグルーヴ感が半端ない!


推定1960~1970年代のラグ、やっぱりその時代ね。



買付けという時間が限られている中で偶然の要素が重なり出会った1枚のラグ
それはほんの一瞬のことですが時間を遡ると、私が生まれる前からそこに存在していて長い間「誰かの生活の一部」として家族の中に溶け込んでいた1枚が
また次の方に受け継がれていく

そしてこのラグは買付けてから1年近くかけてリペアされ、私たちの元にやってきたのはだいぶ経ってからだったので、今、ここにあるラグ達が店頭に並ぶタイミングも運命の方がそろそろ?と考えてしまいます。

そして、ここ、中目黒の川沿いではそんな出会いを果たしているお客様が沢山いらっしゃいます。是非、この機会にそんな出会いがあるかもしれないLayoutまで遊びにお越しください。

text:Komatsu

No.95658
226×158cm
ソンナティ
ギャッベ
¥264,000(tax in
■在庫店舗:中目黒店


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