ユーモア
人間生活ににじみでる、おかしみ、上品なしゃれ。(辞書調べ)
ユーモアが好きだ。
と、いうとユーモアを好きじゃない人なんていないのでは?と思われるかもしれないが
モノを選ぶ基準は「ユーモア」を感じるかどうかで決める時が多い。
なので、私の部屋にあるラグは全て「ユニーク系」というジャンルに入る類のラグだし
ラグだけではなく、セレクトしたオブジェや器にもどこか「あれ?」と和むものが多くなる。
今回、紹介する1枚は推定:1920年代のバクティアリのアンティークラグ
落ち着いた緋色に近いこの色は茜で染めた深い紅色で日本では平安時代から用いられた伝統色の1つで高位の色としても有名だそう。
ネイビーとのバランスもとてもよくクラシカルなオーラを感じる1枚。
ぱっと見はユニークの「ユ」の字も感じない。
ただ私は知っている。このラグは決して高位のオーラだけじゃない事を。
あそこに見えるのは魚じゃないか?
魚が4匹、、、マヒ柄でいうアカンサスの葉っぱ(小魚と呼ばれている)の模様部分に
デフォルメではなくそのまんまの魚。
いやだ!身がぷりっとして塩焼きにしたら美味しそう。
以前もこちらでご紹介したペルシャ絨毯にはよく描かれている「マヒ柄」
マヒ柄とは・・・
「マヒ」と呼ぶのはタブリーズ特有の呼び方で、元のデザインは「ヘラティ」と言います。
アフガニスタンのヘラートという町のあたりにルーツがあると言われており、そこからデザインが広がり、各地、各部族で特徴のある変化をしている面白いデザインです。
中央に花、周りに4枚の葉を模したパターンで、そのアカンサスの葉っぱの部分がタブリーズに渡った時に魚のように見えたことからペルシャ語の「マヒ」と言われるようになったのです。
このくるんっとなっている葉っぱが小魚に見えたとか。
そこを魚にして織っているなんて、、、大昔の職人さんのユーモアが100年経って、私のハートを射抜きました。なんて壮大なジョーク。
もしかして全く違う意図かも知れませんが、私にはマヒ柄に見えてしまったのでユーモアも含めて全てがダントツで上品なお洒落ラグに決定。
デザインだけではなくしなやかさとパイルの柔らかさにも品がございます。
すべすべっとした手触りでウールなのにシルクのような滑らかはこのラグがどんな方たちに大事にされてきたのか想像してしまうほど。
英国アンティーク家具や民芸家具などクラシカル寄りのデザインと揃えても素敵。
決して大袈裟ではないけれど、自分や家族だけが知っている少しクスッとできるユーモアのあるラグを敷いて、生活に抜け感と彩りを演出してみてはいかがでしょうか?
text:Komatsu
No.991396
208×135cm
トライバル
バクティアリ
¥607,200(tax in)
推定:1920年代 アンティーク
■在庫店舗:中目黒店