暮らしとわたし Vol.9

部屋に帰って、ソファで寛いでいる時に、ふと、インテリアの仕事をしていなかったらどんな人生を送っていたのだろうと考えました。

“もしも…”で、いろいろ考える、あれです。

きっと、みなさん経験あると思います。

あの時、あっちを選んでいたらどんな人生になっていたのかな?と想像を膨らますこと。

1つ1つの選択がとても重要だと気付くのは選択した後だったりすることもあります。

その1つが、やはりインテリアを仕事に選んだことです。

こんなに長く同じ職場で働くなんて、入社した当初は思っていませんでした。

もし今の仕事じゃなかったとしたら、自分の好きなインテリアの雰囲気、ブランド、イメージを好きになっていた可能性ってどんなものなんだろう?

今までを振り返ってみると、インテリアの仕事を通して自分の暮らしが変化していたことに改めて気づきました。

小さな頃からいろんな夢を持つタイプで、インテリアの仕事をしたいと思った時期が、たまたま進路を決めるタイミングでした。進路を決める少し前には、司法書士になりたかったり、看護師になりたかったりと、将来の夢がコロコロ変わる学生時代でした。

だからこそ、余計に考えるのかもしれません。

他の職業を選んでいたとしたら、どんな人生を送っていたのかな?と考えてしまいます。

仕事自体の好き嫌いっていうのはわたし自身あまりなく、その影響でやる気がかわることはないので、きっと仕事は大変だろうけど、それなりに頑張っていたのではないかと勝手に想像しています。

どんなことが今の暮らしと違ったか想像すると、部屋の内装や、家具、服装、音楽、料理など、そういうのはきっと全然違ったんじゃないかなぁと思います。

今好きなインテリアは、この仕事をしているからこそ出会えたものばかりです。

インテリアの仕事を選んだことによって、インテリアはもちろんですが、いろんなモノの見方や趣味、興味をもつことにも変化がありました。

美術館やフェス、朝ごはんを作ることなどに興味をもったり、カーサやエルデコ(雑誌)を楽しみにしたり、ひとつひとつはなんてことない小さな変化かもしれませんが、それがわたしの思考や行動に繋がっています。

他の職業であれば、またその環境や出会いなどの影響をうけて、好きなテイストやブランドが違ったかもしれません。

本当にたくさんの面白いこと、素敵なことを教えてもらっているなと思います。

やっぱり一緒に働いて人たちがわくわくするようなことを教えてくれて、それを好きになって、もっと知りたくなったり、いろんな興味をもつようになったりと、今の自分がこの仕事を選んだからこそ作られていると、改めてものすごく実感しました。

これは働くようになってから気づいたのですが、インテリアの仕事に携わっている人は、おしゃれな人が多いと気づきました。

アパレルで働いている人がおしゃれな恰好をしているのは、基本の基本のような、当たり前な感じがありますよね。アパレルではなく、インテリアの仕事の方々がおしゃれで、もうそれは少なくとも…いや確実に影響をうけました。

家具屋さんと呼ばれているお店しかなかった時代から、インテリアショップと呼ばれる家具だけではなく、家具と一緒に揃えられる雑貨も取り扱っているお店が増え、さらに今の時代には、ライフスタイルショップと呼ばれるお店がでてきましたね。

名前の通り、ライフスタイルが揃うお店。ライフスタイルが素敵におしゃれに心地よくなる、そういったものがたくさん取り揃えられている、暮らしが豊かになることへつながっていくお店がライフスタイルショップです。

ライフスタイルが素敵になっていくのも、今の暮らしがあるからこそだと思います。

こんなことを言うとずいぶんおしゃれな暮らしのイメージを持たれるかもしれませんが、そこはそんなことないです笑

わたしにとっての暮らしやすい心地よい空間がある、ということ。 “もしも…”と考えていろいろ想いをめぐらしますが、やっぱり今の暮らしが好きなので、うん、このままで良い!と思う今日この頃です。

目黒区美術館でのフィンランド陶芸家たちのユートピア

(text : Shimazaki)


SHIMAZAKI AYAKO

模様替えがすきで、自分の部屋をしょっちゅうかえていたそんな幼少期を過ぎ、気づけばインテリアを仕事にして12年経ちました。タイプの違うインテリアショップ2店舗の店長をしながら、最近はEC事業にも手を出し始めた好奇心のかたまりのような性格です。集中力は高いけど持続性がかなり低めなのでブログを書くこと、こっそり心配しています。