暮らしとわたし Vol.11

わくわくする、楽しみがとまらない。

久しぶりにとってもわくわくして長時間居続けた場所がありました。

それは家具と雑貨の古いものを扱ったお店でした。

民家と民家の間にポツンとある、周りにお店がある場所じゃないところに、それでも人がいるのが見えるくらいにみんなが楽しんでいるとわかる雰囲気のあるお店でした。
外にもたくさんの古い家具や、アート、ガーデン用品からラグまでもしかしたら、わたしにぴったりのものがあるかも!探すぞ~!なんていう気合いも入っちゃいました。
そして、店内に入って、上、下、左、右、すべてがわくわくする、どこにどんな素敵なものが隠れているかもしれない!と目に入ってくる全てのものに感じました。

1つ1つゆっくり丁寧にお店の中をみてまわって、何周したのかな?と思うくらい何度もまわって、それでもまた新たな発見や掘り出しものを見つけて、家のどこに飾ろうか?と考えて、その考える時間も楽しくてわくわくして、選ぶ時間も店内をうろうろしているだけでもとても良い時間でした。

中には、素敵だけどこれはなんだろう?と思うものや値札のないものがあったりして、それを店主さんに聞くというやりとりも、店主さんの人の良さや魅力が詰まっていました。
ここは店主さんが作り出した空間だなぁいいなぁときっと来店されているみんながそう思ったのではないかな?と思いました。

人と人とのやりとりで、お店への印象や雰囲気がかわることもあります。

店主さんのような人柄でお店ができること、本当に見習うことばかりでした。

たまにある、ヴィンテージ家具のお店の偉そうな店主さんに出くわすと空間やモノは素敵なのに本当にもったいないと悲しい気持ちになります。

いい時間を過ごせたなと改めて思えるのも店主さんのおかげです。

わくわくして楽しくて、来てよかった!最高の時間でした。

わくわくすることが不意に訪れると、めちゃくちゃテンションあがります。

この日は夜のごはんにも、わくわくが止まりませんでした。

山奥にあるイタリアンのお店でした。わたしは初めて訪れて、どんな雰囲気かも知らないけど、美味しいとだけ聞いていたお店でした。

入った時には、わたしたちだけで、(来るのが予約より早すぎたこともある)予約席の札とともに、クリスマスの飾りつけがわたしたちのテーブルにだけ可愛く施されていました。
あまり自分の気持ちの部類には持ち合わせていない、ほっこりする、そんな気持ちになりました。

店主さんと奥様が温かく迎えてくれて、待っていると1品目が運ばれてきました。

これが、わくわくの始まりでした。チーズにトマト、ハム、この3つが3段になって運ばれてきました。
こうやって言葉にすると余計ですが、なんの変哲もないような、つまらないもののように思うかもしれません。

ただ、ここに本当に感動がありました。

とりあえず、わたしはトマトが嫌いです。

大概のものは食べられますが、トマトは33年の人生でずっと苦手なものです。

これは甘いから大丈夫とか、普通のトマトじゃないよとか、美味しいトマト食べたことないんじゃない?など、よく言われたものです。

トマトが苦手じゃない方も、なにか苦手なものがある方はわかるかもしれませんが、それで食べられた試しがありませんでした。
結局、やっぱりそのものの味がダメだからダメなんです。そう思っていましたが、今回ばかりは違いました。

一見、本当にただのチーズにトマト、ハムですが、食べてみての感動がとてつもなかったです。
食リポが下手すぎるので、何も言えません。食べてみて!くらいなものです。

なぜ食べられるのだろう、すごくおいしい!と思っていたら、店主さんがわたしたちのテーブルに来てくれて、いかがですか?とお話をし始めてくれました。
そして、1つ1つの食材はとてもシンプルだけど、そこにほどこされている工夫が素晴らしいことを教えてくれました。
チーズも食べたことのないチーズで、(名前を忘れてしまいました…)ふんわりほろほろする食感だけど臭みもなく、濃すぎず絶妙で、イタリアの一部の地域でしか作っていないチーズとのことでした。
トマトにも工夫があり、ハムにもこだわりがあり、目立たないけどこっそりと下処理をされていて気付くか気づかないかギリギリぐらいのハチミツが入っていたり、それを3つまとめて口に入れた時の感動は忘れられません。

それから次の料理、次の料理、すべて楽しみで、最後のデザートまでひと口ほおばるたびに、わくわくと楽しさがありました。

そして、毎回店主さんがお話してくれました。

気にかけてくれて、わたしたちのことも知ろうとしてくれて、そして美味しい。

すごく高級なイタリアンではないけど、とても居心地のよい空間でわくわくするディナーに店主さん奥さんとの会話でとても楽しい時間でした。

お店の魅力にわくわく感と楽しさ、そして店主さん=スタッフとの会話によってさらに印象がかわり、また来たくなるお店になるんだと、思いました。

わたしの今の仕事に置き換えて考えてみると、勉強になることが山ほどありました。

少しでも同じ想いがもてるようなお店に近づいていけたらいいなと思っています。

(text : Shimazaki)


SHIMAZAKI AYAKO

模様替えがすきで、自分の部屋をしょっちゅうかえていたそんな幼少期を過ぎ、気づけばインテリアを仕事にして12年経ちました。タイプの違うインテリアショップ2店舗の店長をしながら、最近はEC事業にも手を出し始めた好奇心のかたまりのような性格です。集中力は高いけど持続性がかなり低めなのでブログを書くこと、こっそり心配しています。