今思ってるインテリアのこと Vol.21

2021年3月8日2度の公開延期を経てついにシン・エヴァンゲリオンが公開となりました。

2021年に26周年を迎えたアニメ。
26年前の僕は16歳。

テレビ東京で放送されていたので、地方に住んでいるとリアルタイムでは観ることができず、少し時間が経ってから地方局で深夜に放送が始まり観ていました。(この時差は、エヴァに限らず他の番組でもあり、地方に住んでいる人には分かっていただけると思うあるあるです。)

生きてるうちに観ることが出来て良かった。

この文章を書いている今も宇多田ヒカルを延々とリピートしながら書いています。
それぐらい余韻がすごい。26年前のテレビ版と26年後のシン・エヴァンゲリオンだと、もう映像の迫力が全然違いその部分だけでも年月を感じます。
ただテレビ版が古くて良くないのかというと、そういう訳ではなくあの時代の画面サイズや絵などにも良さがあります。 

新しい事だけが良い訳ではなく、古い事にも良さがあると思っています。 

インテリアの業界でも、昔はあったのに今はほぼ無くなってしまった良い習慣があります。
かなり無理矢理つなげている感がありますが。笑 

その中で言うと婚礼家具。
結婚をするときに家具を買うということは、勿論無くなった訳ではないのですが、昔はおめでたい儀式のような感じもありました。
僕がこの仕事を始めた20年前でも、ほとんどなかったのですが数回だけ経験させてもらいました。
これは地方によっても異なると思いますし、僕の記憶も曖昧になってきているので正確ではないかもしれませんとだけ断っておきます。
僕の経験談です。間違ってたらすいません。 

結納金で婚礼家具を揃えることや、花嫁側の親が持たせるということもあったそうです。
婚礼家具とは一般的に洋服箪笥、和(衣装)箪笥、整理箪笥の3点セットの事をいうようですが、新生活を始めるのに必要なベッドやソファ、ダイニングセットなど家具一式。
一般の配送とは異なる点も多くあり、大安の日に紅白の幕を荷台が一部ガラス張りになり荷物が外から見えるトラックに巻き付けて、婚礼家具を載せて最初に花嫁さんの実家に行き布団とか着物とか他の花嫁道具を積んで、納品先に向かう。

この時にトラックをバックさせることは出戻りを連想させるから厳禁で納品先に近づくとトラックの外側につているスピーカーで、ご近所さんにも婚礼家具が来たよって分かるように唄を流してました。(この唄を調べたら加賀長持唄と言う石川県の唄でした)納品が終わるとお膳のご飯をいただき、ご祝儀もいただきました。
確かこんな感じだった記憶があります。盛大な結婚の儀式みたいな側面もあったんでしょうね。とにかく豪華で特別な納品でした。 

現代では、住宅事情や生活様式の変化、家具の買い方の変化などで昔のような家具が必要なくなったのだと思います。
桐ダンスは、着物を持つ方が減り使う機会がなくなり。
箪笥は、家にウォークインクローゼットができ必要無くなったり。
ソファやベッドは買うけど、昔みたいに婚礼家具です!みたいな納品はしなくなりました。 

ただ、親が子供に一生使えるような家具を持たせて送り出すという文化は、素敵だなと思います。 

現代なら何処でも使えそうなラウンジチェアやダイニングチェア、照明とかを婚礼道具として渡すのもいいんじゃないかな、家具じゃないキッチンツールやアートとか食器とかずっと側に置いて使えるものを渡すという事を昔のような婚礼家具ではなくても残って欲しい文化だなと思っています。 

(text : Doi)


DOI KOUHEI

富山県出身石川県金沢市在住 40歳 
家具に興味を持ってから、インテリア関係の仕事に就きたいと思い金沢のインテリア専門学校へ、店舗内装デザイン会社の後、23歳ぐらいからインテリアショップ勤務。
現在も、金沢市内のインテリアショップで販売、法人営業、家具プラン作成たまに配送と何でもこなす。
趣味は、太らずにお酒を飲みたいための適度なランニングと包丁で野菜を切るのが楽しいので簡単な料理。