今思ってるインテリアのこと Vol.19

以前から家にいる時間が好きなので、昨今の自粛生活は特に気になっていなかったのですが1年も続いてくると圧倒的に僕自身の情報のインプット機会が、減っているのを感じています。 

今までなかったWebでのやりとりや、情報配信などが増えているので知識的には変わらないのかもしれないですが、家具は実際に触ったり座ったりしないと分からないし、空間も行ってみないと分からないと思っているので、色んなところへ行きたい願望が少し芽生えてきました。
興味あることに気軽に行けない事が、こんなにも辛いのかと感じ始めていますがもう少しの辛抱だと思って乗り切ります。 

そんな気持ちの中、最近NHKで始まったドラマ「ハルカの光」が面白い。冒頭に光の定義が言えずに、光を愛していないと言われハルカに振られてしまう男性がいて、そんな人なかなか居ないよなと思いながら始まり(僕も言えなかったので振られる)倉俣史郎の照明を見ながら、ハルカと店主がこの照明の良いところを言い合おうというシーンでは、むかしお酒を飲みながら家具好きの友人と同じことしてたなと思い出しました笑。
名作照明と物語を絡み合わせている今までにないドラマ。全5回と短めですが楽しみにしてます。
ただ、昔ながらの寿司屋にゴールデンベルが合っていたのかは疑問でしたが笑。 

照明が心地よい住まいづくりをするのに大きな役割を持っていると思っています。
よく言われることですが、日本は天井に白い蛍光灯の照明をつけて部屋全体をくっきり明るくすることが多いですが、北欧などでは、光が必要な箇所に柔らかな照明を設置してお部屋に陰影を出す空間作り。
僕自身も、実家では青白く光る蛍光灯の下で育ってきましたが、ひとり暮らしを始めた18歳ぐらいから天井の青白く光る蛍光灯は、極力つけずに過ごしてきました。最初のうちは、暗くて暗くて馴染まなかったのを憶えていますが、これがかっこいいんだ、これがお洒落なんだと言い聞かせて我慢してました笑。
なんでも形から入るのは昔から。
形から入って心に至るという言葉もありますが、どちらかというと慣れてしまった感じです。青白く全てを照らし出す蛍光灯が悪いとは思ってないですが、必要最低限の柔らかい光を知ってしまったので、やめられなくなった感じです。
なんだか落ち着くんですよね。部屋に影ができると奥行きも感じられて、雑誌に載っているようなイケてる部屋な感じもします。 

さらに良いなと思うのは、キャンドルなどの実際に火が灯っているあかり。
もうずーっとみていても飽きない。掃除とか面倒かもしれないですが暖炉にも憧れます。
木が燃えてパチパチ音が鳴りながら暖をとりながら気に入った椅子に座りなが過ごすとか贅沢の極み。憧れます。 

使っている照明で特に気に入っているのはFLOS GLO BALLシリーズ 

ジャスパーモリソンのデザインで、もう定番と言っても良い照明です。
一見すると普通とも思う楕円のフォルムが素敵で手吹きガラスのシェードからは中の電球が見えず、暗闇にこの照明だけをつけているとシェードの楕円だけが浮かび上がって不思議な感覚になります。
光の玉が浮いている感じ。     
僕は、玄関にテーブルランプタイプを使っていますが、調光機能もあり家に着いた時には、真っ先につける照明です。大好きな家に帰ってきたなって感じがします。
この先もずっと使う照明。 

ソファとか椅子の家具で部屋の雰囲気を変えるのも良いですが、照明を変えることの方が 

一気に部屋の雰囲気を変えるのには最適じゃないかなと思っています。
間違いなく最初は暗いと思いますが、そのうち慣れて居心地が良くなり、僕みたいにショッピングモール明るくて極力行きたくない病になると思います笑。

まずは形から。 

(text : Doi)


DOI KOUHEI

富山県出身石川県金沢市在住 40歳 
家具に興味を持ってから、インテリア関係の仕事に就きたいと思い金沢のインテリア専門学校へ、店舗内装デザイン会社の後、23歳ぐらいからインテリアショップ勤務。
現在も、金沢市内のインテリアショップで販売、法人営業、家具プラン作成たまに配送と何でもこなす。
趣味は、太らずにお酒を飲みたいための適度なランニングと包丁で野菜を切るのが楽しいので簡単な料理。