ラグのいろいろ ウール素材のこと(2)

前回に引き続きラグによく使われる素材ウールについてご紹介します。​

『水と油とキューティクル』​

「ウールは汚れにくいですよ、飲み物こぼしても大丈夫」と私たちはよくお伝えしていますが、今回はその理由をお話します。

羊の毛は私たちの髪の毛と同じつくり。

こう聞くとちょっと不思議に思われるかもしれませんが、ウールは髪の毛と同じように繊維の表面がキューティクルで覆われています。​

正確に言うとスケールというウロコ状の表皮で、これが水気は弾き、湿気は吸収するという優れモノなのです。

そしてギャッベやトライバルラグに使われているほとんどの糸が、ウールの持っている油分をそのままに紡がれているため繊維の表面がコーティングされた状態なのです。​

つまり、この「キューティクル+油分」が飲み物をこぼしたときに水気を弾き、繊維の中まで汚れが侵入するのを防いでくれており、素早く拭き取ることで汚れがつきにくくなるのです。​

ベージュのギャッベに、コーヒー・コーラをたっぷりとこぼし3分経過後に水気を拭き取るテストをしてみました。どちらも問題なくキレイになりました。(お手入れの方法 参照)​

赤ワインだって!と意気込み挑戦してみましたが、こちらは残念!!うっすらとその痕跡が残ってしまいました。もしもこぼすのならば、白ワインをおススメします。​

※赤ワインの痕跡はクリーニングに出すことでキレイに落ちますのでご安心ください。(約5,000円/1平米)

(『Layout News Letter Vol.2』(2017年発行)より抜粋)