Layoutがイランを旅したお話し Vol.3

バザールを歩いていると若い絨毯屋さんが結構目につきます。 なかなか仕事が見つからない環境だからかもしれませんがアルバイトの若い男性や、代々続いているお店を親子で切り盛りしていて世代交代中の息子さん、そして新たに絨毯屋をはじめた若者たちです。

そのなかで特に仕事熱心なのが、これから絨毯業界で食べていこうとしている若者たち。

狭い店内に「どうやって積んだの?」と思うくらい天井ギリギリまで積み上げていて、こちらがお願いすればイヤな顔せず最後までキチンと見せてくれます。

また、イランでは考えられない程サイズや価格表記、伝票もしっかりしている人やまだまだたくさん商品は持てないけれどこだわりの商品を揃えている人などなど、牧歌的でアナログな絨毯の世界にも少しずつデジタルが入ってきている雰囲気もあって、絨毯屋さんの価値みたいなものが少しずつ変化してきていることを感じさせてくれます。

また、バザールの中にもおしゃれな店とか増えてきているみたいです。

とはいえ、おじさん達も負けていません。

なんだかんだ言ってもやっぱり幅を利かせているのはこの道数十年のベテランたちだったりするのです。

店の前で商談していると最初は遠巻きに見ているのですが、少しずつ集まってきて会話の合間に絶妙なタイミングで「良かったらウチのも見てくれよ」という感じで、にこやかに声を掛けてくれます。

押し付けがましいところまではいかないけど、しっかり自分を売ってくるあたりさすがです。

ちょっと面白いのが僕たちにいつの間にかついてくるおじいさん。

行く店、行く店にしっかりとついてきます。

どうやら、「俺が連れてきたんだ」とお店の人にアピールすることで僕らがラグを購入するとお小遣いがもらえるシステムらしいです。(注)通訳の方のお話しです。

なかなか逞しいなと思うとともに、なんだか優しい仕組みなんじゃないかと勝手に嬉しくなりました。

そういえば、店によってはおじいさんがいなくなる場面もあったけど、あれはお小遣いくれない店だからなのだろうか・・・。