みなさまこんにちは。
過ごしやすい日が続き、街中が春らしい色になってきましたね。
目黒川の桜は来週にも見ごろを迎えそうです。
今回ご紹介するラグは、「可愛い」という言葉がまさにぴったりのラグ。
色もデザインも、とにかく春らしさ満点です。
まず何といっても私が思うこのラグの一番の魅力は色使いです。
きっと多くの人も一目でこの色使いに心躍るはず。
どの部分を見ても単色ではなく、複数の色をまだらにして織っているところに
織り子さんの遊び心を感じます。
複数の色を使うことで、子供っぽくなりそうな配色にも奥行きが出ていますね。
ベースのピンクは、下の方がオレンジ寄りのピンクなのに対して、
上の方は紫寄りのピンクになっています。
白が200色あると某モデルさんがテレビで言っているのを聞いたことがありますが、
白が200色ならピンクはそれどころじゃありませんね。
ピンクの中にピンクで描かれている花や蝶も「可愛い」ポイントです。
このラグが甘くなりすぎないための差し色とも言える上下の菱形は、
水の上に色鮮やかな花が浮かぶ「花手水」のよう。
「花手水」は、神社やお寺で参拝するときに手や口を清める手水舎の鉢の水盤に生花を浮かべたもので、
コロナウイルスによって手水が禁止されることの多い近年では、人の心を和ませるものとして全国に広がったといわれています。
(もともとは水の代わりに花の露で身を清める作法のことを指すようです。)
よく見ると、青の中にもグレーや紫が混ざった落ち着きのある配色は、
明るい印象のラグの中にも花手水のような癒しを与えてくれます。
華やかな色合いのデザインに春らしさが詰まったラグですが、
私は「春」というとなんとなく土の匂いを思い出すのです。
これはきっと田舎で育ったからこその記憶のせいもあるかと思うのですが、
晴れた日に球根を植えたり、花を摘んだり、土の中の幼虫を見つけたりと、
春は畑や花壇の土にたくさん触れる季節だった気がします。
そのせいなのか、このラグを見たときも、花々のいい香りというよりは、
花畑の土っぽい匂いと、植物の青っぽい匂いがしそう!という印象。
でもそれは嫌な感じではなく、どこか懐かしく、身近な感覚でした。
ラグを眺めているだけで記憶や感覚まで呼び起こされるから不思議ですね。
ラグの上に座って、お花畑の上でのんびりするような感覚を楽しんでいただきたい一枚です。
(Text :Fukunaga)
No.92335
トライバル
シラーズ
Size : 190×129cm
Price : 154,000(税込)