3日目のRUG is Goodは東京から平井がお届けします！

東京もだいぶ涼しくなって、うっかりソファでうとうとしてしまった日には朝方寒くて目を覚ますくらいになってきました。

今年の1か月の買付旅からあっという間に約4か月、、、。
あの時出逢ったラグ達がメンテナンスやクリーニングを終えて続々と海を渡ってやってきています。

そんな来日ほやほやラグの中から選んだ1枚が、なんと！沖縄店スタッフ天池と息ぴったりであの子の双子のラグを執筆中でしたのでまた違う視点で紹介してみたいと思います。
ぜひ、合わせて読んでみてくださいね♬

このラグ、トイセルカン？

歴史の子よりほんの少しだけサイズが大きいので双子のお姉さんかもしれません。

このラグに出会ったのはハマダーンという町のバザールでした。
パッと開いて見せてもらったときに、まずデザインがなんともチャーミング！
これだけでも十分セレクトする理由になるのですが、このラグはどこの？と聞くと、「トイセルカン」という町のラグだというんです。
トイセルカンなの？としつこく聞く私。少し時間を空けて、もう一回聞いてみてもやっぱりトイセルカンのラグだとみんな言います。

デザインは珍しいよね！みたいな感じでそこにいた何人かのおじさま達が言うので、さすがにこれだけ言うのだからそうなのかもしれない、、と信じてみることにしました。

トイセルカンのラグはLayoutでもよくセレクトするので、この雰囲気やデザインのラグを想像する方も多いかと思います。

階段状のコーナー（四隅のデザイン）が特徴的です。このラグもすごくステキだったなぁ。

マップで全然見つからない！

このトイセルカンという町を某マップで探そうとすると、とにかく苦戦します。
ハマダーンという町の少し南に位置しているのですが、「トイセルカン」と入力しても出てきません。
見てください。

タイザーカーン

これがトイセルカンのことです。（笑）

تويسركان　というペルシャ語を英語にするとTuyserkanで間違いないのですが、そのまま英語読み？するとタイザーカーンになってしまうということだと思います。
250歩くらい譲ったら、そうなるかなぁ、、、
なんだか変身するヒーローの名前みたいで強そうです。

ステキなところ！

トイセルカンの町は、緑が青々としていてとても気持ちのいいところです。
この辺りは水も豊富で、すこし郊外へ車を走らせると畑や田んぼが一面に広がります。

この町へ向かう途中に山を越えていったのですが、そこには遊牧民が暮らす絶景がありました！

羊飼いのロリ族のファミリーが何家族かここで遊牧生活をしていて、彼らは夏の時期だけこの場所に来るそうです。

トイセルカンを目指さなければ、この景色やファミリーに会うことができなかったので買付の旅の中でも強烈な印象が残っています。

ラグのこと、話しましょう

肝心なおすすめポイントを全然話していませんでした。

天池がエジプト神話を感じたデザイン、こちらのラグではどうなっているでしょうか？

こちらにも、しっかり神様いましたよ！
ティータイムはやっぱり外せません。ポットは姉妹で色違いを使っているみたいです。

私がこのラグでキュン！としたポイントは、トリちゃんたちへの優しさにあふれているということ。
大小いろんなトリちゃんが織られていますが、誰一人（一羽！）として宙に浮いていないんです。

何かしらの上や地面の上でみんな休んでいて、不自然に延びるトリちゃんのための止まり木のようなものまであります。

トイセルカンの特徴であったはずの階段状のモチーフさえも形を変えて、とにかく「トリちゃん優先」のラグなんです。

一番注目しているのは右下の角にいるこのトリちゃん！いや、トリさん！

加山雄三さんを思わせる片足を一歩前に踏み出す姿、かっこいいです。
かっこつけながら透明になる魔法の練習中なところも大好きです。

フカフカで夢ごこち、、☽

トリちゃんにとっても優しいこのラグは、私たちの体もやさしく包み込んでくれるフカフカの厚みですよ。

トイセルカンは好きな色合いのラグをセレクトするとヴィンテージも含めて、どうしても比較的さらっとした薄手のものが多いのですが、このラグはおそらく未使用のデットストックでパイルがしっかりと残っています。

経糸は白のコットン、緯糸はグレーのコットンが使われています。
結びは非対称結びの左へ開く結び方です。
緯糸はハマダーン近郊のラグによくみられる一本通すタイプの構造です。（2本通すものもあります）

床暖房やホットカーペットが活躍し出す季節が近づいてきましたが、手織りのラグはもちろん問題なく一緒に使うことができます。
ふかっとしたラグがポカポカ温まって、その上でブランケットにくるまれてゴロンとする幸せ。
トリちゃん達に囲まれて、のんびりお家で過ごすのにぴったりなこの子はトリちゃん好きでおなじみの小松店長と奪い合いになるかもしれないのでぜひお早めに！

（Text : Hirai）