暮らしとわたし Vol.20

「至福の時、自分へのご褒美」

「箱根本箱」ってご存じですか?
数年前に知り合いが宿泊した話を聞いて、いつか泊まりに行きたい!と心に決めていた宿泊施設、それが「箱根本箱」でした。
その名の通り、至るところに本・本・本。

スマートフォンを使うようになってから、どうしても本を読む時間が減ったように思います。
そう思っている方、多いのではないでしょうか。

わたしは本当にそうです。電車に乗るときには必ず1冊本をバッグに入れて出かけることが習慣化していたわたしにとって、電車に乗ることが少なくなった今は、以前にも増して本を読む時間が少なくなりました。
本を読む時間がどんどん少なくなっていく中での、本を読む時間、本との空間を楽しむ場所へわざわざ出向くことは、わたしにとって楽しみしかありませんでした。
そしてさらに、宿泊施設そのものを楽しむだけに行くこと自体、わたしは初めての経験でした。

峠を越えて越えて到着した先には、素敵で感動的な空間がエントランスから広がっていました。到着した瞬間に来てよかった!と思えるほど、わくわくがとまりませんでした。
スタッフの方もとても気持ちの良い対応で、お部屋にたどり着くまでも気持ちよく、さらに至る所に本、そして本を読む場所が作られていて空間も心も、おもてなしが素晴らしい宿泊施設でした。

わたしが泊まる部屋にも、もちろんセレクトされた本が数冊ありました。
小さい頃から本を読むことが好きなわたしですが、いつも読む本にはとても偏りがあるし、世界には本が溢れているし、当たり前のように、わたしが読んだことのない本たちばかりがありました。
きっと普段の暮らしの中では、本屋さんへ行っても目にとまっていなかったかもしれない本ばかりで、タイトルからして気になる本など、読みたい心をくすぐられるものばかりでした。

到着早々部屋にある露天風呂に入りながら面白いチョイスをされた、いつもなら読まないかもしれない初めて目にとまった本を読んでいました。
景色もよく、露天風呂に入りながらのこの時間は、至福の時という言葉がぴったりな素敵な時間でした。

「箱根本箱」の中を探検して、ひとつひとつ堪能して、ゆっくり時間が流れていく、いつもと違う非日常の時間がとても心地よく過ぎていきました。
これが“至福の時”だなと心から思いました。

お料理もインテリアも、もちろんわたし好み。
美味しかったしお洒落でした。
“ローカルガストロノミー”という箱根の素材をふんだんにつかったお料理は、オーガニック&クレンジングがテーマの自然派イタリアンで、どれもこれも美しい上に美味しかったです。
カウンター席は、名作“セブンチェア”のカウンターチェアタイプ、テーブル席にはこちらも名作“ワイチェア”が佇んでおり、さらに空間の感度をあげてくれました。

1つのことを突き詰めたり、“本物”にこだわったり、心地の良いインテリアをつくるにあたって大事なことをたくさん学ばせていただきました。

1つ1つが意味のある、“名作”と呼ばれるイスで構成されている「箱根本箱」は、インテリア好きならぜひ行って欲しい!空間でした。
できれば毎年同じ時期に来たいなと思った場所になりました。

自分が居心地の良い場所を見つけること、自分が居心地が良いと思う場所を作ること、どちらもインテリアの要素が欠かせないことですね。
だからこそ、もっともっとインテリアに興味をもって心地良く暮らせる空間をひとりひとり作り上げて欲しいと思うし、それをお手伝いしていきたいなと思っております。インテリアに興味をもってハマる人たちがたくさん増えればいいなぁと心から願っています!

自分へのご褒美に、ぜひ「箱根本箱」おすすめです。(まわしものではございません)

(text : Shimazaki)


SHIMAZAKI AYAKO

模様替えがすきで、自分の部屋をしょっちゅうかえていたそんな幼少期を過ぎ、気づけばインテリアを仕事にして12年経ちました。タイプの違うインテリアショップ2店舗の店長をしながら、最近はEC事業にも手を出し始めた好奇心のかたまりのような性格です。集中力は高いけど持続性がかなり低めなのでブログを書くこと、こっそり心配しています。