ラグ好きの方、Layoutをフォローしていただいてる方にはきっとお馴染みの、ライオンモチーフの中でもひときわ「変な」このカクカクしたライオン。じゃがいものようなフェイスラインから繋がったシャギーな立て髪。角ばったボディーに、ハイテクスニーカーを彷彿とさせる足元と身体を覆うドット柄、そして横顔に2つ置かれたつぶらな瞳、、、
普段からいいカオをしたキャラクターに弱く、古着屋で見つけたパンダ柄のデッドベア、下りのSAのソフトクリーム屋で売られていた牛のぬいぐるみ、土産物屋で出会った干支の置物・・・立ち寄った場所にグッとくるものがあると、「買ってどうすんの?」という心の中のミニマリストの忠告を無視して、ついつい脈絡もない買い物をしてしまう性分・・・
同じような理由で、どうしても放って置けない気持ちになるのが、このカクカクしたライオン。
バイヤーに聞いてみたところ、イランのバクティアリという遊牧民族につたわる古い風習で、お墓の上にライオンの石像を建てるという文化があるのだそう。画像を見せてもらったのだけど、これが想像とちょっとちがう感じで、日本の百貨店やマンションのエントランスに鎮座する威厳のあるライオン像ともちがって、なんと言うか…とても良い。
プリミティブで親しみのある造形に、「もしかするとあのカクカクライオンのルーツなのかも知れないね」と盛り上がったけれど、考えてみると確かにそんな気がしてきた。ラグに描かれたライオンの角張りはどこか置き物っぽい。もっと言うと、さまざまな角度を合成させたような構図、なによりこの目の置き方は、そう、まさにキュビズム的ではないか!名前も知らない誰かが生み出した表現が、後世の”アート”とつながる偶然(こじつけ)に、このタイプのライオンへの愛着もますます深まっていく。
さて、そんな魅力の多いカクカクしたライオンの新入りなのですが、何がいいって色がいい。グレー杢の背景に、深みのあるワインレッドで描かれたライオン。瞳は背景と同じグレー。鮮やかなブルーの首輪と蹄。縁取りの柄部分には、深いモスグリーン。
コミカルなモチーフに高級感のある色味とウールの質感の良さがマッチした、渋い大人の部屋に敷いてあるとグッとくる、遊び心のある一枚。いにしえのシティ・ボーイよろしく、ウィスキーを飲みながらコイツに向かって「やれやれ」とか呟いたり・・・そんな空想が広がります。
ぜひ、中目黒のお店でご覧ください。
まったくの余談ですが、スタッフに教えてもらった盛岡天満宮の狛犬も、角ばっていてとってもキュートです!HPのリンクを貼っておきます。
(Text : Nakamoto シティ・ガール見習い、特技はイラスト)
Gabbeh
No.99735
Size : 89×63㎝
Price : ¥56,100