たくさんラグを見ていると、「あ、このデザインはこの部族によく見られるな～」というのがいくつかあったりします。

今回私がご紹介するトライバルラグもその１つで、バルーチ族によく見られる鳥ちゃんモチーフのラグです。

なんでもバルーチという言葉がニワトリのトサカを意味するという説もあるみたいで、バルーチ族のラグには鳥がよく登場します。

でもでも…このRug is Goodを日頃お読みいただいている方々はご存じの通り、近いデザインでも1枚1枚の個性が隠し切れないのがハンドメイドラグですよね。

このラグも最初まじまじと見た時思わず心の中で思いっきり突っ込んでしまいました。

織子さんの趣味は魔除けです

蔓延っていますね。魔除けの「S」が…。

この「S」を横にしたようなモチーフがケルマックといって虫を表し、魔除けを意味しているのです。

白地の中も中央のネイビーの中もめちゃくちゃ魔除けられています。
前世でよっぽど嫌な思いをしたのかな…というくらいの警戒ぶりです。

いくらなんでもここまでしなくても、と思い笑ってしまいました。

この16羽の鳥ちゃんたちも、もしかして背後をやたらと気にする怖がりな鳥ちゃんたちなのかもしれません。

このケルマックに限らず、ラグには魔除けのモチーフや飾りをよく目にしますね。

一説によるとメダリオンや手のモチーフにも魔除けの意味を持つものがあったり、ギャッベのボンボンも魔除けを意味しています。

先人たちはこうやって自分たちの身を守ろうとしたんだろうなと思うと、それがラグとして現代にも残っているのが面白いですよね。

闇を感じる

ここで登場キャラを改めて見てみましょう。

背後が気になりすぎて前を向けない鳥ちゃんの他に、大きな羽根と綺麗な瞳の色が特徴的な大きな鳥が8羽いますね。
尻尾の方の羽根がドット柄になっています。
オシャレね～なんて思っていましたがハッとしました。
もしかして、鳥肌立ってます？鳥だけに？何があったんでしょうか心配です…。

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中央の4羽はうぐいすのようなメジロのような淡いグリーンが素敵ですね。

背景が濃いネイビーに赤い魔除けモチーフでちょっと闇を感じますが、鳥ちゃんの爽やかさで中和してくれているのではないでしょうか。

みんなそれぞれ可愛らしいですがちょっと事情がありそうなところに惹かれますね。

やっぱりあった

ラグのデザインをじっくり観察するときにやりがちなのが、織子さんのへたっぴポイントを探すことです。
小姑みたいなこと言っていますが、文句を言いたいわけではなく、そこが愛らしくてたまらないんです。

今回もやっぱりありましたよ。

フレームにご注目ください。
上手くいけば三角のはずだったのに…という箇所が２つ。

ちゃんと左右にありました。

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今回に限っては織ろうと思えばちゃんと織れたよね？と言いたくなりますね。
わざと説も浮上してきました。

もしかしたら何かメッセージが込められているのかもしれませんね…。

Let’s魔除け

こんなご時世だからこそ、織子さんの強い「魔除けたい」気持ちが伝わるラグをおうちに敷いてあげるといいかもしれません。

サイズ的にも玄関にぴったりなので、アルコールとセットで玄関から入る悪いものを跳ね除けてもらいましょう。

一家に一枚魔除けラグ、いかがでしょう。

（Text :Kumai）