やまがたさんの暮らしのあしあと Vol.2

こんにちわ。 
第二回目の連載を書かせていただきます。

今回は、何を書いたらいいかな?と迷うところからのスタートでしたが、 せっかくの”連載”なのでまずは連なりの中でやまがたゆか という人を 少しずつ知っていただけたと思いました。 

そこで、第一回にも登場した、『やまがたゆか・結婚と転職』の部分で少し触れた、『6割の刺激的なしごと』についてをテーマにします。 

書くことは、自分が読みたいことが良い。と聞いたことがあり、しごととの出会い方という点でも、広くみんなに言えるというよりも、少し悩んだあなたが読みたい。と思える温度感でお届けします。 

『6割の刺激的なしごと』 

みなさんは、ふだん仕事をする時に、何を大事にしていますか? 

人事が知りたいのは、
本人がどんな価値観を持っているのか。

と、書いてありました。 今のお仕事で面接をさせていただくこともあり、
このひとことは私も納得感たっぷりだなと思いました。 

つまり、 
自分自身が自分の価値観を言語化できていないと、
本当に幸せになるためのしごとをするのはおろか、
そんな場所に出会うことも難しいと私は思います。

働くことに対しての、価値観はひとそれぞれです。 
同じように、働く人へ求める価値観も、その場所それぞれに異なります。 

正しいとか間違えている。という話しではなく、価値観から人柄が見えてくる。から、それを知りたい。というのが、本意かもしれないです。 

えらそうなことを言いましたが、何を隠そう、わたし自身も、結婚と体調不良を機に、自分の新しい働き方に迷い・あぐねたエピソードがあります。
それはそれは、もう、今思い出すと赤面したくなるようなとんちんかんな時期でした。 

私は当時、結婚してまもなく、2週間で北海道・福島・香川・徳島と移動をし続けるように、遮二無二なって働いてきた自負もあったので、一度人生初の「ニート(職業:主婦)」になります。

とはいえ、社会との接続ゼロというのは、物寂しかったため、程よくお金が入り・家庭ともバランスの取れるしごとをしよう〜と、あまり深く考えずに面接を受け始めます。 

そう。 

歯医者さんの受付。 
IT関係の事務。
美容整形の事務。

などなど。 
今、思うとなぜそれらを選んでいたのかも記憶にないほどに、
意味もなく選んでいました。 条件は、残業なし・家から近い・給与がいい。この3点。 

ですが、とある日に実家を整理していた時に、
美術大学受験に向けて必死にアトリエに通っていた時の 
練習ノートを見つけ出します。
そこに書かれていた文字は、『私は、こんなもんじゃない。もっと描ける。ぜったい、描ける。』という殴り書きの文字。 

きっと、そうとうに悔しい思いをした後に涙目で書いたんだろうな…と懐かしがりならふと、疑問が湧いてきます。 

何のために、私は美術大学を選んだのか。
なぜ、私の両親は美術大学に行かせてくれたのか。 

そう思った瞬間から、 
すべての内定をお断りしていました。 

私は、結婚を言い訳にして、物心ついた頃から大事にしてきた「描き・創る/考え・生み出す」という自分のアイデンティティ捨てようとしていたことに気づき、愕然としたのを今でも覚えています。 

なんて、情けない決断をしようとしていたのかと。 

私は、自分の価値観を間違えて捉えていました。 

独身時代に、怖いもの知らずに好きなだけ働き倒した生き方や時間の使い方ができないことが嫌?辛い?

それとも、家族との時間を大事にできない働き方が苦しい?悲しい? 

あなたは、家族と仕事と。 
どっちを大事にしたいですか? 
あなたは、生きるとはたらくについて、 
どんな価値観を持っていますか? 

私が出した答えは、 
『全部大事にしたい。』
 という価値観。 

この価値観をベースに私は、じぶんの理想の働き方『6割を熱狂的に働ける』ことと、やっぱり自分のアイデンティティである『創ること』で表現できる場所を探し、今、勤める場所に運命的にたどり着くこととなりました。 

家庭を言い訳にせず、しごとを言い訳にせず、小さな頃の自分に誇れるように、これまでの自分の努力を大切にできるように。
その生き方を選べるのも、叶えられるのも、他の誰でもない。
自分自身だということを、その場所で教えてもらいました。 

はたらくことに刺激を求める人と安定を求める人と、いろんなタイプがいると思います。
そのどちらが正しいということではなく、大事なのは自分が本当はどうしたいのか?という確信に 自分が迫ること。 

自分が自分に迫ることは、簡単なようで、意外に難しいんです。

それでも、たった1回の人生で、長い時間をともにする「はたらく」という時間。 

私は、『6割の刺激的なしごと』を選びました。 

これを読んでくれたあなたは、 どんな価値観を持って『しごと』をしていますか? 

ぜひ少しゆっくり考えてみたりすると、明日からいつものしごとが今よりもっとキラキラして見えるかもしれないです— 

追伸 

綺麗なことをたくさん書いていますが、 入社当初は、毎日泣き続ける始末でした(笑)
 働くことは楽ではないですが、自分に意味のある時間にすることはできると信じて、 5年経ちました! 


やまがたゆか

テキスタイルデザイナーを経て、絨毯・ラグの企画営業デザインを担い、今は空間デザインをメインにした、アートディレクターをしています。  職場ではデザイナーのマネージメントもしごとの一つ。  物書きの名前は「やまがたゆか」で連載を開始。   プライベートはゆるゆると愛犬とごくごく普通の旦那と暮らしています。  銀色夏生さんの本が好き。