家具提案は、住宅だけではなく飲食店やオフィス、クリニックなど色々なところにご提案しています。

金沢という土地柄もあり、町屋を改装して民泊施設にする案件もあります。
現在も飲食店とクリニックと美容院、オフィスの家具提案中ですが職種が違うのでお客様からの要望も様々で、住宅の家具提案とは違う制約があり、家具を使う人が直接選ぶのではないところもあるので難しさがあります。

飲食店は、椅子とテーブルの提案が多くお店の雰囲気に合わせるのは勿論ですが、テーブルと椅子の差尺（テーブル天板高さから椅子座面の寸法を引いたもので一般的には270mmから300mm）に気をつけています。ラーメン店などは差尺を小さくして天板を低くする事で、箸で麺をすくい上げやすいと以前ラーメン屋さんの店主に聞きました。

椅子の座面も重要で表面材も布、天然皮革、フェイクレザー（人造皮革）、ビニールレザー、木座など。
形状もアーム付きかアーム無しかなど。個人的にはフェイクレザーは好きじゃないですが、メンテナンスの事もあるのでご要望に合わせてます。

でも最近は、質感に拘る方も多くいらっしゃって布や天然皮革を選ぶ方も多いですね。良い傾向だと思います。
テーブルは天板サイズを気にしています。どんな料理をどんな形で提供するかによってもサイズは変わってきますし、お店の広さによっても変わってきます。
配膳する動線スペースなども必要だとか。限られたスペースで配置する場合は数センチの差が大きいです。
配置してみたけど人通れないですって事になります。料理置けないですって事にも。オーナーさんが想定している客数や客層によってもサイズが変わってくるので、最初のヒアリング時に確認するのが重要で、聞かずに提案すると最初からやり直しの危険性があるので注意しましょうと、いつも自分に言い聞かせてます。

まぁヒアリング不足は、どんな家具提案するときも致命的ですね。先日納品した町屋を改装した宿泊施設もオーナーさんの拘りが強い方で、質感が良く町屋に馴染む家具を提案して欲しいとのことでした。
室内も加賀群青を採用されている空間です。

搬入経路が大事

ご要望の一つにベッドマットレスをキングサイズの一枚ものにして欲しいとご相談いただきました。（大体は、２枚に分かれているマットレスをくっつけてキングサイズすることが多い）搬入先は２階なんですが、町屋をご存知の方なら分かると思いますが階段は急で、天井も低くキングサイズのマットレス一枚ものは絶対に入らないんです。
こんな時は外から吊り上げになります。搬入経路も事前確認していましたので何とかご要望にお答えできました。

皆様、家具をご購入される時は設置場所の寸法や設置した時のサイズ感を気にされる方は多いですが、搬入経路もご確認の上、事前にご相談ください。
事前にご相談いただくと全国の家具屋は助かります。

クリニックの椅子

最近は新規開業の整形外科クリニックの家具提案をしています。こちらは、アスリートや学生の運動部の子が来る事を想定をしているクリニックで、クリニック内の家具全般を提案させて頂いてます。

打合せは、院長先生と家具を決めていっているのですが先日勤務予定の理学療法士さんも交えて打合わせをしました。待合の椅子なども決まっていて張地どうしましょうか〜って段階まできていたのですけど、理学療法士さんに決まった待合の椅子を座ってもらったら「この椅子じゃダメですね」と言われてしまいました。
僕は「どうしてですか？座りやすくないですか？」（こんなに何回も話しあって決めたのに。そして座りやすいと思うけどなと心の中で思い）と聞くと理学療法士さんから「座面が深すぎて姿勢が悪くなってしまいます。寛ぐよりも正しい姿勢で座れる椅子じゃないと正しい姿勢をしてくださいと伝えている意味がない」と返されました。
なるほどと思い、再度提案するときの基準を作りたいのと興味があったので店内にある椅子次々と座ってもらいました。まだ検証中ですが、恐らく座面の奥行きが深くなくて背筋が真っ直ぐになる硬めな椅子が座り心地が良さそうです。
待合でも気を抜くなって感じで座る椅子探してます。
改めて職種によって考え方が違い求めている機能が違うんだなと再確認出来る良い機会になっています。
今秋オープンまでに、空間イメージに合い、機能性が両立している家具を探します。 

理学療法士さんに認められた椅子

HermanMiller Aeron Chair REMASTERED 

(text : Doi)

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