Journey to Iran vol.11

2020.2/17(月)マシュハド
買付5日目 

バルーチ族の人々が暮らすアフガニスタン国境付近の村でのお話のつづき。

塀の上からワンコが見守る中、Layoutはコシュキャク村を出て次の場所ズーザーン村へと向かいます。

ズーザーン村

この村で最初に訪れたお家は先ほどとはちょっと違う雰囲気の門構えです。
「イランの人は家の中では土足で過ごしますか?」と質問をいただくことがあるのですが、私たちと同じように家の中では靴を脱いで暮らしています。
しかし、日本の様にドアを開けたら靴を脱ぐ場所が生活スペースとはっきりと分かれている家はイランでは少ないように思います。

家に入ってから特に境目のないところで靴を脱ぐパターンと家の外で脱ぐパターンがあるのですが、こちらのお家は後者ですね!
外に靴を出しっぱなしにできるということは、雨が少ない国ならではかもしれませんね。
ちょっと気になったので世界の降水量を調べてみましたが、イランの降水量は日本の7分の1でした。少ない!!

出典:国土交通省水資源部編「平成19年版日本の水資源」,水資源協会「日本の水2008」

外で靴を脱いで早速中にお邪魔すると、壁はウッド調でなんだか現代的な雰囲気。
大小のテレビがなぜ横に並んでいるのかは聞きそびれましたが、居心地のよさそうなリビングです。

リビングのお隣の部屋にラグを織るスペースがありました!

こちらは竪機!

こちらの織機は垂直タイプの竪機でした!
前回ご紹介したコシュキャク村では床に平行の水平織機だったので、近いエリアでもどっちのパターンも使い分けているんですね。

セットされているデザイン画を見ると、真ん中に生命の木がドンとそびえる私たちのバルーチのラグのイメージとは違うラグです。
このデザインだとおそらくホラーサーンのラグと呼ばれるものになるのではないかと思います。

ここで是非 織機の傍らにご注目ください。

私たちの生活には欠かせないスマホ!イランでもみんなスマホを使っています。
私がもし絨毯を織っていたら、確かにそこに置くと思います。わかるわかる!
肌身離さずスマホを持ち歩くのも日本もイランも同じです。

サイズは大体150x100cm。この女性は1日に6~7時間くらい織って3~4か月ほどで織りあげるそうです!
フックを使ったトルコ結びで手際の良さがかっこいい。。。
このラグは細かさでいうと55ラージ。
ホラーサーンのラグは横10センチの中に経糸が何本かで細かさを表すそうなので、55ラージというのは横10センチの間に経糸が55本あることを意味しています。
この数字が大きくなるほど経糸は細くなり、結び目も細かくなっていきます。
同じ”ラージ”という数え方でもタブリーズとは少し違うようです。

全体像はこのような感じで織機は鉄パイプのようなもので作られています。
昔は織機も木製が多かったと思うのですが、歪みにくさや丈夫さを追い求めていくとやはりこのように金属を使うのは自然なことですよね。

地域によって、織機の構造や経糸の張り方、使う道具の形も変わってきます。
まだまだ気になること、知りたいことが尽きないラグの世界です。。。

旅はまだまだ続きます。

つづく